東京だよ、ばあちゃんよ

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日曜日、三上寛さんの無善寺ライブに行き、終電を逃して朝までゴールデン街にいたけれど、そこで話はふとばあちゃんのことになり、俺のばあちゃんはその死に際、東京に行ってバンドをやると言っていた俺に、「東京にだけは行くな。そうばあちゃんと約束してくれ。茨城にいたら何の心配もいらねぇから。じいちゃんの言うことを聞いて、東京にだけは行かないとばあちゃんと約束してくれ」と言って死んだ。俺はそのばあちゃんの言葉にただの一度もうんと頷けず、ただただ突っ立って病室で泣き、そしていま東京で雑誌を作っている。

茨城は東京にほど近く、沖縄や青森、つまり地方からやって来る人たちとは違って帰ろうと思えば1時間半程度で帰れ、であるから茨城が故郷である俺には東京でなくてはならない明確な理由がなければここに残ることは難しい。また、片道切符で夜行列車に乗り、朝焼けの広がる東京に俺は何者かになるんだとやってくる人たちが羨ましくもあった。だが思い返せば俺は祖母の最後の願いをシカトしてこの東京にやってきていた。コーラばっかり飲んでると父ちゃんみたいに歯溶けちまうぞと言ったばあちゃん。東京だよ、ばあちゃんよ。